メキシコ料理ガイド 自宅で作れるレシピ付き

メキシコとメキシコ料理の基本情報

メキシコはココ。アメリカの南です。

メキシコはカナダやアメリカと同様北米大陸に位置し、またラテンアメリカの入り口の国でもあります。メキシコは中南米に入ると思われている方が多いかもしれませんが正しくは北米で、グァテマラ以南が中米という事になります。しかしメキシコは北米でありながらラテンアメリカでもあり、言語はスペイン語、食べ物もカナダやアメリカとはまったく違い、独自のラテン文化を感じることができます。

メキシコの主食はトウモロコシ

Tortillas by Wikimedia Commons CC BY-SA

トルティーヤやタコスなどメキシコを代表する郷土料理は主にトウモロコシ粉から作られています。また唐辛子や豆を使った料理が多いのも特徴。これらはかつてメキシコで暮らしていたマヤやアステカ文明の先住民より受け継がれており、その伝統的な料理や調理法が評価されメキシコ料理は2010年ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

またメキシコは世界で1番自殺率の低い国

それは食べ物と関係があるという説もあります。トウモロコシや唐辛子、豆などの食べ物が、あの陽気な性格につながっているかもしれません。

こちらのページでは代表的なメキシコ料理を紹介し、併せてレシピへのリンクも貼っていく予定です。また拘りたいメニューに関してはこちらで再現し、オリジナルのレシピを掲載していきたいと思います。少しずつ記事を充実させていきますので気長にお付き合い下さい。

メキシコの代表的な料理、タコス

メキシコを代表する食べ物といえばタコス。(名称はタコ。タコスはその複数形です)
生地がパリッと堅いものはアメリカでアレンジされたタコスで、本場メキシコではトウモロコシ粉で作った柔らかいトルティーヤで包んで食べます。タコスはメキシコのファーストフードではありますが、手の込んだものが多く本格的なメキシコの味を堪能できるのも魅力。いろんな種類がありますのでこちらでは特にポピュラーなものをご紹介します。

ちなみに、トウモロコシではなく小麦粉のトルティーヤで筒んだ料理はブリトー(ブリート)でそれを揚げたものがチミチャンガ。ブリトーはメキシコ発祥かもしれませんがテキサス料理という印象の方が強いためこちらのページでは取り上げていません。

タコス・アル・パストール

Tacos al postor by Kirk K CC BY-NC-DN

店先や道端でよく売られているメキシコで最もポピュラーなタコスです。トルコのケバブと同じようにタレに付け込んだ豚肉を何層も重ねてその塊を直火で焼いていくスタイル。焼けたところから切り落とし、サルサやパクチーと一緒にトルティーヤでくるんで食べます。このやり方を自宅で再現するのは大変ですがフライパンでつくるレシピもありますのでそちらをご案内したいと思います。

タコス・デ・カルニータス

Tacos de carnitas, by Russell Mondy, CC BY-NC

アル・パストールに続いてこちらも人気の高いタコス。メキシコ中部、ミチョアカン州発祥ですがメキシコ全土で食べられます。豚肉のいろんな部位をたっぷりのラードの中に入れ弱火で火を通し、出来上がったら細かくほぐして野菜やサルサと一緒にトルティーヤでくるみます。

タコス・デ・バルバコア

Tacos de barbacoa, by Darren & Family, CC BY-SA

バルバコアは牛肉をバナナの葉でつつんで蒸し焼きにするメキシコの伝統的な料理です。元々は穴を掘ってその中で蒸し焼きにしていたようですが、現在は蒸し器などで調理されます。ニンニクやチリなどをブレンドしたペーストが味のポイント。これを牛肉にからめて蒸し焼きに。いろんな食べ方がありますが、トルティーヤで包めばタコス・デ・バルバコアとなります。

タコス・デ・コチニータ

Tacos de cochinita, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

コチニータはメキシコ南部でよく食べられる豚肉の料理。上で紹介したバルバコアと同様、こちらも伝統的には穴の中で蒸し焼きにする料理ですが、今は蒸し器や圧力鍋、あるいはアルミホイルにつつんでオーブンで焼いたりします。オレンジジュースやチリ、数種類のスパイスで作ったペーストで豚肉を味付けしてから蒸し焼きに。それを細かくほぐしてトルティーヤで包めばコチニータのタコスとなります。

タコス・デ・カルネ・アサーダ

Tacos de carne asada, by Kirk K, CC BY-NC-ND

カルネ・アサーダはスペイン語で焼肉の意味。フライパンなどで焼いた牛肉をトルティーヤで巻いてサルサと一緒に食べるシンプルなタコスです。しかし、焼く前にどんなソースに付け込むかにより味が変わりますので拘る人はこの味付けに手間をかけます。メキシコ北部でよく食べられるタコスです。

メキシコ料理に欠かせないサルサとフリホーレス

サルサとフリホーレス、これ自体はメインディッシュではないのですが、いろんな料理の付け合わせとして出てくるメキシコ料理には欠かせない存在です。タコスには必ずサルサをかけて食べますし、肉料理などにはフリホーレスやライスがセットになって日本の定食のように出てくる事が多いです。
付け合わせの割にはどちらもまあまあ手間がかかるのですが、メキシコ料理には欠かせませんので取り上げてレシピもご紹介していきたいと思います。

サルサ

Salsa roja, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

タコスなどにかける赤や緑の辛いソースです。赤には普通のトマトを使い、緑のサルサにはグリーントマト(tomatillo)を使用。市販のサルサもありますが本場の味からはほど遠いので、自家製のメキシカン・サルサ・レシピをご紹介していたいと思います。

フリホーレス

Frijoles, by James, CC BY-NC-ND(フリホーレス・デ・オジャ)
Frijoles rejritos, by Alpha, CC BY-NC(フリホーレス・レフリートス)

フリホーレスは豆の煮込み料理。フリホーレス・デ・オジャと、さらに煮込んで汁気をなくしたフリホーレス・レフリトスの2種類があり、フリホーレス・デ・オジャはスープ状、レフリトースは日本のアンコのような形状をしています。メインのおかずやトルテーヤと一緒に出てくることが多く、またナチョスチップスにつけて食べても美味しいです。

エンチラーダ

Enchiladas, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

エンチラーダはメキシコ~中央アメリカの伝統料理。牛肉、鶏肉、野菜、魚介類などの具材をトルティーヤで包み、その上からサルサソースやチーズをかけ、その後オーブンで焼きます。こちらもタコスに続くメキシコを代表するトルティーヤ料理。ライスやフリホーレスとワンプレートになって提供される事が多いです。

モレ

Mole Poblano, by Alpha, CC BY-NC-SA

モレとは先住民の言葉でソースの意味。日本では、チョコレートが入ったちょっと珍しい味のメキシコ料理といったイメージがあるかもしれませんが、いろんな種類のモレがあり特にこれといった定義はありません。例えばタスコ(町の名前)にはホワイトチョコレートやビーツ(赤い野菜)を使った赤いモレがあり、ミチョアカンではトマトやカボチャの種で作る緑色のモレ、またプエブラにはチキンに黒いチョコレート入りソースをかけたモレ・ポブラーノという料理があります。

一般的なモレのイメージに近いチョコレートを使ったレシピがありましたのでリンクさせて頂きます。日本では手に入りにくい食材が必要になりますが、後々このページ内でラテン食材の入手先もご紹介していきたいと思います。

タマル(タマレス)

Tamal, by Wikimedia Commons, CC

タマル(2つ以上はタマレス)はメキシコをはじめ、中米や南米の一部でも食べられる伝統的な料理。トウモロコシ粉をラードとこね、トウモロコシかバナナの皮に包んで蒸したものです。鶏肉やトマトソースを煮込んだ具を中にいれるのですが、タマレスはちょっと粉っぽいところがありますのでこの具を多めに入れた方が美味しくなります。また完成したタマレスにサルサなどをかけるのも良いです。

ポソレ

Pozole rojo, by Wikimedia Commons, CC010

ポソレはお祭りの日などに良く食べられるメキシコの国民的スープ。ジャイアントコーンと鶏肉(あるいは豚肉)を煮込んで作られ、シンプルな白色のポソレスープ、唐辛子各種を加えた赤色のポソレスープ、緑のトマトやピーマンを加えた緑のポソレなどいろんな種類があります。後から細かく切ったレタスやタマネギなど各種野菜をトッピングするのもあり。

アステカ・スープ

Sopa Azteca, by Lou Stejskal, CC BY

アステカ・スープもポソレと並んでメキシコでよく食べられるとてもポピュラーなスープです。ミキサーでペースト状にしたトマトとタマネギをコンソメスープで煮込み、塩コショウ、クミン、コリアンダーなどで味を整えた後、油で揚げたトルティーヤやチーズ、アボガドなどを加えて出来上がり。鶏肉などを一緒に煮込む場合もあります。

ペスカード・ア・ラ・ベラクルサーナ

Pescado a la veracruzana, by Wikimedia Commons, CC BY-SA

ベラクルス(大西洋側の港町)スタイルの魚料理ですが、メキシコ全土で食べられます。白身魚を、オリーブオイル、月桂樹の葉、塩とコショウ、タマネギ、トマト、パセリ、ニンニク、オレガノ、オリーブなどで作ったソースと一緒にオーブンで焼き上げる、またはフライパンで魚を炒めた後にソースを加えて煮込みます。白身魚の中でも特に鯛を使うのがベラクルス風で、白いごはんと共に盛り付けられます。

トルタ:メキシコのサンドウィッチ

Torta de Milanesa, by Hungry Dudes, CC BY

トルタはメキシコのサンドウィッチ。タコスの材料で紹介したバルバコア(肉料理)、カルネアサーダ(焼肉)、鶏肉などなんでも良いので野菜といっしょにパンに挟みます。ハラペーニョの酢漬けを入れればだいたいメキシコ風の味になるでしょう。メキシコではフランスパンを柔らかくしたようなパンを使いそれがちょうど良いのですが、ない場合はハンバー用のパンでも代用できます。