プエルトリコの音楽|ボンバ、プレーナ、ヒバロ

プエルトリコはアメリカ合衆国の自治領でありながらカリブ海に位置し公用語はスペイン語と英語。キューバやドミニカ共和国と同じくラテン文化が感じられる島国です。

このプエルトリコにはスペイン人、先住民族、アフリカの文化が入り混じることで生まれた独自の音楽がありヒバロ、ボンバ、プレーナなどがその代表的なジャンル。これらの伝統音楽はサルサの誕生にも大きく影響しています。

プエルトリコの音楽1. ヒバロ

ヒバロとは、プエルトリコに暮らすスペインからの農業移民やその子孫たちの事で、彼らの間で歌い継がれる音楽もまたヒバロと呼ばれます。スペインの音楽がベースなっており、クアトロ、マラカス、グィロなどで演奏され、歌手は即興も交えながら多岐にわたるテーマを歌います。

カリブ海や中南米の中でもプエルトリコはスペイン系の人口比率が高く、(さとうきび畑にはアフリカからの奴隷が連れてこられたのですが、コーヒーやタバコ農園ではスペインから移住したインテリ層の農民が働いた)そのためスペインに所縁のあるヒバロはプエルトリコで広く演奏され歌われるようになりました。

プエルトリコの音楽2. ボンバ

ボンバはプエルトリコに連れてこられた奴隷達の間でうまれたアフリカ系の音楽。ポンセのような沿岸の街にはサトウキビ農園があり、そこで働く奴隷やその子孫たちの間でボンバやプレーナといった音楽は誕生しました。

ボンバは 大きな太鼓を横一列に並べ、加えてマラカ(マラカス一本のみ)、クアなどの楽器を用いて演奏され、メインの歌手とコーラス隊がコールアンドレスポンスの形でスペイン語、あるいはアフリカの言葉で歌います。

プエルトリコ各地に広がったのは20世紀以降。1950年代には当時の人気バンドのラファエル・コルティーホ・イ・ス・コンボがボンバのリズムを使ったヒット曲を出した事で世界的にも知られるようになりました。

プエルトリコの音楽3. プレーナ

プレーナは、アフリカ起源のリズムとヨーロッパ起源のメロディやハーモニーとの融合で生まれたプエルトリコ独自の音楽。元々はボンバのリズムにパンデレータ(タンバリンのようなハンドドラム)を乗せただけのシンプルなものでしたが、20世紀に入るとクワトロ、レキント、グィロ、さらにホーン、ピアノなどが加わることで音の幅がぐっと広がりよりポピュラーな音楽へと進化していきます。

今日ではプレーナは最も良く聴かれるプエルトリコ音楽の1つ。特にクリスマスには欠かせない音楽で、毎年年末にポプラル銀行から発売されるアルバムの中ではプエルトリコを代表する数々のアーティストたちがプレーナを歌っています。